2006年7月1日
*世界の食卓から(第65回):食の散歩道(ラッキョウ王国)

今回は久々の散歩道。ラッキョウのお話です。

*ラッキョウとは
 中国・ヒマラヤ原産のユリ科の植物。漢方ではガイハクという生薬で狭心症などの胸の痛みに使われている。

*日本一のラッキョ生産量
 日本一のラッキョウ生産量を誇るのは鳥取県。ラッキョウはもともとは福岡県に伝えられ、全国に広まったと言われている。鳥取では砂丘でラッキョウを生産したり、収穫体験を実施したり、観光に繋げている。ラッキョウと言えばカレー。なんと鳥取県民の一人当たりのカレールウ消費量は日本一だそうだ。

*ここまでラッキョウ?
 以前、仕事で鳥取県に行った。あまり鳥取に行くことはないので、どこでご飯を食べればいいのか宿の方に聞いたところ、宿から歩いて2分ほどの「かぶら亭」という和食屋を紹介された。
 天井の広い店内。メニューは手書きだ。ここでのオススメは新鮮な魚。刺身もおいしいし、煮付けも丁度いい味に仕上がっている。普通に鶏のから揚げなどのランチもあり、揚げ物系はボリューム満点。女性には多いかもしれない。
 先日もこの店を訪れ、これで4回目。冬場に行けば、カニの刺身がいただけるのだが、もう温かくなっていたので、イカの季節。美味しい白イカの刺身をいただき、満腹になったところで、ふとメニューに目をやると、「ラッキョパイ」。。。。これはおかずか、デザートか。。。店員さんに聞いてみたところ、アップルパイのような感じでラッキョウが使われているという。さほどラッキョウの味もしない、というので、頼んでみることにした。
 しばらくして運ばれてきたラッキョウパイ。見た目はアップルパイに生クリームがかかっているようだ。これを口に運んでみると。。。まさにラッキョウ。「さほどラッキョウの味はしませんよ」と言っていた店員さんは日頃、どのようなすごい味のラッキョウを召し上がっておられるのか?ラッキョウをデザートにしてしまうという考えが、まず、根本的に間違っていると言える。これならまだ、カレーとラッキョウを入れて「カレーラッキョパイ」としておかずにしてしまったほうがまだましではないか。
 ラッキョウ王国鳥取で体験した「ラッキョウパイ」。好きな人はクセになるかもしれない。鳥取に行かれたら、一度体験してみてほしい。