2006年6月1日
*世界の食卓から(第64回):タイ【食卓から離れて*2】

 タイのお寺では日本のお寺と違う所がたくさんある。

*亥は象
 日本では自分の十二支を知らない人はいない。タイでは、最近の若い人は自分の十二支を知らないらしい。そもそも十二支とはなんだろうか。
十干は十二支は中国から伝えられたもので、十干は太陽の位置を、十二支は木星の位置を表しているものらしい。十二支は数字の代わりとしても使われ、時間や、月を表すのに使われていた。しかし、よく考えると十二支は「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」であって、普通に動物の漢字と読めるのは「寅」くらいである。ではなぜ動物が当てはめられているのか。いろいろな説があるが、十二支を一般の民衆に親しみやすいものにする為、動物を当てはめたといわれる。日本では先ほど書いた「子丑寅卯・・・」だが、タイでは「馬羊猿鶏犬象」なのだ。調べた所によると、ベトナムやベラルーシでは「兎」ではなく「猫」なのだそうだ。

*犬だらけのお寺
 タイのお寺には犬がたくさんいる。何度も書いているようにタイは仏教の国だ。生きていくうえで一番やってはならないことは「殺す」ことだ。なので、絶対に動物を殺したりしない。(虫やら菌やらは多分例外か?よくわからないが)日本のように野良犬を殺したりしないので、街は野良犬だらけだ。そして寺も野良犬だらけ。寺では犬に餌を与えるので、近所の人が犬を連れてきたりするらしい。暑いタイでは犬も皮膚病だらけな感じだが、誰も気にしない。犬もごはんをくれるからといって、人間に飛びついてきたりしないし、賢いものだ。なので、自分から犬に触らない限り、犬に触れることはないし、犬も寄って来ない。犬は安心して寺に住んでいるので表情も穏やかだ。

*用途別お布施
 タイの寺にはお布施箱が置いてある。日本の寺でそのような物を見たことがないが、神社でいえば賽銭箱のような感じだ。しかし、日本のものと違うのは、用途別に箱が置いてあることだ。お寺の修復費、お坊さんの食費、犬の食費などなどだ。みんな自分が使ってほしい用途の所にお布施を入れる。

*お坊さんへのプレゼント
 お寺の前には売店があり、そこではバケツに入った色々な物が売られている。子供向けのものかと思ったが、そうでもなさそうなので、聞いてみると「お坊さんへのプレゼント」だそうだ。バケツには果物や、薬、お菓子などが入っており、それを持ってお坊さんに会いに行くらしい。

*日本政府も
 タイのお寺のように明確な用途が分かっていればお布施も払いやすい。日本政府も見習って税金の用途を明確にしてほしい。