2006年1月1日
*世界の食卓から(第59回):赤飯

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
なんと、このHPを立ち上げてから2回目のお正月を迎えることが出来ました。心より御礼申し上げます。


・赤飯
 お正月にはおせち料理と赤飯を食べる。新しい年を迎えられた感謝を込めたお祝いだ。
 なぜ祝い事には赤飯なのか。
 赤い色は邪気を祓う色とされており、赤米を蒸したものを神に供える風習があった。現在でもこの風習は各地の神社に残っている。その際にお供えのお下がりとして、赤米を食べていたと想像される。従って、古くは吉事ではなく、凶事に食べられていた。いつごろから反転したのかは不明であるが、凶事の赤飯を吉事に食すことで縁起直しを図ったと考えられている。
 かつては赤米を蒸して神に供えていたが、次第に赤米が作られなくなり、手に入りにくくなったことから、小豆を使って赤い色をつけるようになったそうだ。ちなみに、うるち米に小豆を入れて炊いたものは、赤飯とは言わない。

・世界のもち米
 欧米ではもちろん、もち米を見たことはない。かつてスイス人の友人の家で、日本から持って行ったうるち米を炊いた際、「このお米はどうしてこんなにもちもちしてるの?!」と驚いていた。もち米ではなく、うるち米であんなに驚いていたのだから、もち米を食べたら「なんだこりゃ?!」になるに違いない。欧米の米はもっとぱさぱさしているのだ。
 アジアではいろいろなところでもち米が食べられている。中国のちまきに始まり、インド、ミャンマー、タイなどで食べられているが、すべて蒸して食べる。

・北海道の文化
 札幌のスーパーでは甘納豆の入った赤飯が普通の赤飯と並んで売られているらしい。北海道でも、道央が主で、道東や道北では甘納豆赤飯は炊かれていないらしい。かつて光塩学園の創設者の南部あき子さんが道内各地で開いた料理講習会をきっかけに広まったということで、その頃、交通事情が悪く、札幌から離れた地区には行けなかったので、道央だけになってしまったそうな。
 今は寒いので北海道に行こうという気にはなれないが、暖かくなったら甘納豆の赤飯を探しに行きたい。