2005年10月1日
*世界の食卓から(第56回):ショコラ

・チョコレート
 
日本では甘いチョコレートが多いが、砂糖を入れなければ、基本的には苦い。紀元前2000年ごろから中央アメリカ及びメキシコ南部でカカオが栽培されていた。15世紀頃まではカカオはその土地では貨幣として流通したほど重要視された。最初、チョコレートは飲料として飲まれていた。中央アメリカがスペインに制服され、カカオが手に入りやすくなったのでスペインの一般庶民もチョコレートドリンクを飲むようになった。ヨーロッパで最初にチョコレートに親しんだのはスペイン人だったのだ。フランスのルイ13世がスペイン人と結婚したことにより、フランスにチョコレートがもたらされた

・ココアとホッとチョコレート?
 最初にチョコレートを粉末にしたのはバンホーテン。これはカカオからカカオバターをとる方法で、それまでチョコレートは濃密で、水に溶かしてしか飲めないものだったのを口あたりのよいチョコレートを作るきっかけとなった。19世紀中ごろ、ようやく、イギリスの会社が食べるチョコレートを発売。これが最初の固形のチョコレートだ。先にチョコレートを作って、それを飲み物にしたのがホットチョコレートだと思っていたので、順番が逆だったことは意外だ。

・日本で最初のチョコレート
 日本で最初のチョコレートに関する記述は、18世紀の遊女の記録で「チョクラートをもらった」という形で登場する。最初の記述がプレゼントとして、というところがなんだかお洒落だ。チョコレートをプレゼントでもらったら、どんな女性でも心動かされるだろう。ちなみにカカオ豆から最初に日本でチョコレートを製造したのは森永製菓だ。

・ショコラティエ
 
チョコレートは熱に弱く、溶けやすい。ショコラティエとはチョコレートを作る職人のことだ。ベルギーではどこのチョコレート屋さんにもショコラティエがいて、ほんの少しの配合を変えて様々なチョコレートを売っている。この世界の食卓からの第2回でも書いたが、ブリュッセル(ベルギーの首都)では日本のケーキ屋さんの用に、チョコレート屋さんがあり、計り売りで好きなチョコレートを買える。しかもあっちこっちにそんな店がある。次に行った時には、いろんな店のブラックチョコレートを一個ずつ買って、味比べをしてみたい。