2005年8月21日
*世界の食卓から(第54回):お残し

・「お残しは許しません!」
 これはあるアニメで食堂のおばちゃんがいつも口にする言葉である。以前は何の気にも留めなかった言葉だが、これは、非常に日本的な文化だと言える。出されたものを残すことは、作ってくれた人、また、食べ物に対しても失礼である、という考え方だ。

・カナダにて
 カナダでホームステイしていた時、そこの3才の子は毎日、食事を残していた。とはいっても、マカロニチーズ、ピザという交互のメニューだったが。ピザは必ず耳の部分を残していた。お母さんは「もう終ったの?ロザリー。」と聞くだけだった。

・イタリアにて
 御存知の方もおられるかもしれないが、イタリアではパスタはメインではない。しかし、パスタだけでも日本人には多いくらいの量が出てくるので、日本にいる時と同じ感覚で注文すると、当然残す派目になる。残すのが嫌だからといってパスタだけ、ピザだけを注文するのも、イタリアのレストランでは非常識なのだそうだ。ちゃんと注文しても残すから失礼になるし一品を頼んでも失礼になる。イタリアではカフェやバールで軽く食べることしかできなかった。

・またまたお隣では
 またまた一番近くて一番遠い国韓国では、残すのが礼儀だ。他の家にお客様として行った時、食事を残さなかったら「出された料理が足りなかった」ということになる。なので、お呼ばれした時は出された食事は残さなくてはならない。
 なので、外に食べに行った時も一品がすごく多い。大きい皿にすごい量の食事。麺の場合も同様に大皿に大量に盛付け、それを食べやすい用にジョキジョキはさみで切りながら食べる・・・。なんとも食欲をそそられないのは私が日本人である証なのだと納得した。