2005年8月11日
*世界の食卓から(第53回):食卓

・テーブル
 皆さん御存知と思うが「テーブル」は英語である。英語圏の友人に「テーブルって英語でなんて言うの?」と聞かれて困った事がある。机?ちゃぶ台?どっちも違う。
 そう。テーブルに該当する日本語はない。言葉がないということは、そのものがなかったということだ。かつてテーブルがまだ日本に入って来る前、ちゃぶ台でご飯を食べていた。
 私は小さい頃からテーブルで食事をしていた。最近になって地べたに座わるようになったのだが、テーブルとは違い立つのが面倒だ。立ったり座ったり、昔の日本人はよく動いたんだな、と感心する。

・では、椅子は?
 椅子。これは日本語として使われている。英語では「チェアー」だ。椅子も昔、日本にはなかったはずなのになぜ日本語があるのか。椅子はテーブルと共にヨーロッパから入ってきたものだと思ったが違うらしい。椅子は中国から機織りが伝わった時に一緒に中国から伝わった。

・スタイル
 食事のスタイルは、それぞれの文化が現れる。アジアでは地べたに座って食べる習慣のある国が多い。アジアをあまり旅行していないので、なんとも言えないが、韓国には行った。カナダにいた時は韓国人の友人に囲まれていた、ことから、韓国の食事作法は多少学んだ。隣の国なのにこんなに違うのかと驚いた。

・お行儀
 まず、彼らはスプーンをよく使う。韓国人いわく、「中国から韓国に伝わったが、日本には教えてあげなかった」だそうである。スプーンを使う彼らにとって食器を手に持って食べることはお行儀の悪い事なのだそうだ。逆にスプーンのない日本では食器を持たなくては汁物は食べられない。汁物を入れる器を持ちやすくする為、器の下に下駄を履かせているのは汁をすくう食器を持たない日本の独特の文化だと言える。
 食器を持たない場合、食事中、左手はどうすればいいのか?簡単だ。左手はひざの上に置いておくのが正しいそうだ。
 食事中の座り方はあぐらが一般的だが、女性は片ひざを立てるのがお行儀がいい。これはチョゴリを美しく見せるためだと思われる。片ひざを立てながら食事をして消化が良いかは疑問だ・・・。
 箸を使う日本人の食事をする姿は美しい、と思うのは私が日本人だからだろうか?