2005年5月11日
*世界の食卓から(第44回):4年に一度の食博

 大阪で行われた「食博」に行ってきた。入場料は1800円。1号館から6号館まであり、それぞれにテーマがあった。

・ナンタ劇場
 以前、韓国旅行に行った時に、ソウルで見てきた。かなりの評判と聞き、とても楽しみにしていた。しかし、実際に見てみて、とてもあと味の悪い思いをした。確かに、リズミカルで、帽子の上に長い紐をくっつけてグルグル回す、韓国の伝統の踊りなんかもとりいれていて、良かったのかもしれない。野菜を切る技もすごかった。しかし、ゴミの量もすごかった。
 「劇」なので、話には一応内容がある。決まった時間までにお客様に料理を出す、というものだった。かなりの量のゴミを出しつつ、ほんの少しの料理が最終的に出来上がる。切る野菜はほとんど全て飛び散らかし、ゴミにしていく。日本人なら「もったいない」と感じると思うのだが、「お客様が来られたら、お客さんが残すほどの大量の料理を出すのが礼儀」という国では、なんとも思わないのだろうか。

・1号館:ナンタ劇場
 上記の劇場を食博で見ることが出来たらしい。1日3回しか上映されない上に、ものすごい人だったので、もちろん私は1号館でナンタ劇場を見ることはできなかった。「スペシャルバージョン」となっていたので、韓国で見たのとは内容が違ったのかもしれない。見られた方は是非、感想をお聞かせ下さい。
 
・2号館:「味の旅」テーマ館
 100円でアジアの麺が食べられる、ということで行ってみた。夜店のカキ氷の入れ物に入って100円。安いのかどうなのかよくわからない。しかも、すごい行列!結局、食べる気がおこらず、日清の「インスタントラーメンの歴史」を見ただけでした。

・3号館:世界の味覚館
 ドイツのビアホールが再現され、生演奏が行われていた。しかし、これまた行列。ビアホールなので、飲んでいる人がそんなにすぐに立ち上がるわけはなく、あまりの人ゴミにすぐに出てしまった。ワインの試飲なんてものあったが、ソムリエがつきっきりで説明してくださるので、それはそれで面倒くさい。(ソムリエの方、申し訳ございません)

・4号館:快適食創造館
 これははっきりいって、見本市。なぜ、わざわざお金を払って見本市を見なくてはならないのか・・・。

・5号館:「宴」テーマ館
 この博覧会はこの館だけでよかったと言っても過言ではない。素晴らしい和菓子、洋菓子が展示されていた。特に和菓子。言葉では言い表しようのないものばかりだった。同じ「色粉」を使うのでも、なぜ日本人の色彩感覚はこれほど優しいのかと、感動してしまった。
 和食、中華、洋食の盛付けも展示されていた。中華、洋食、とは言っても完全に日本人の感覚で彩られていた。しかし、あれだけの料理をどうやって、腐らないように何日も綺麗な状態で保存しているのか、不思議だった。
 さらに、テーブルコーディネートも展示されていた。一緒に行った父は「不思議やな。実際の料理を見るより、こっちの方が『食べたい』って気がする」と言っていた。まさに、そのとおりで、様々な場面を想像させる雰囲気、食器、カラーで展示されていた。
 ちなみに、この館の中央に目玉である「世界最大級の陶磁器「宴の塔」があった。「1800円も入場料を取るのに、ボランティアで人を使うのはナゼ?」と以前、関係者に聞いた所、「展示物にお金がかかるから。特に『宴の塔』なんかは、とても高価なものですので。」とのことだった。どんなに素晴らしい物かと期待していたのに、「なーんだ」で終ってしまった。

・6号館:日本の味覚館
 皆さんは大阪梅田の地下にある、阪神でパート経営の全国のお土産屋さんを御存知だろうか。あそこに行けば、いつでも全国どこのおみやげでも手に入る。それが大きくなっただけ、というものがここだった。しかも、特に安い物が手に入るわけでもない。物産展に入場料を払って入ったようなものだ。

 この私の説明で「食博」に行けなかった方もだいたい想像がついただろうか。4年後の「食博」に行くかどうかは、御自身で御検討下さい。