2005年3月1日
*世界の食卓から(第39回):いちご

・春いちご

 いちごがだんだん安くなってくると、「春が近づいてきたんだな」と感じる。小さい頃はあの酸っぱさが苦手で、いつも牛乳と砂糖をかけて、スプーンの裏でぎゅうぎゅうと潰して食べていた。いちごを食べた後のピンク色のいちごミルクがなんともいえずおいしかった。

・いちごの栄養
 いちごにはビタミンCが豊富で、10粒くらい食べると、1日に必要なビタミンCが摂取できる。タバコを吸うとビタミンCが消費されてしまうので、タバコを吸う方は積極的に取ることをオススメしたい。また、常食すれば、歯ぐきを丈夫にし、歯槽膿漏の予防につながるとも言われる。
 外用としては、魚の目取りに効果があるそうだ。いちごの葉を塩でもんで日に数回患部に貼ると5日ほどで治るとか。

・世界のいちご
 18世紀のオランダで栽培が始まり、日本へは江戸末期にオランダから長崎に入ってきた。
 世界のいちご年間生産量は約300万トン、1パック330gと考えると90億パックだ。世界一の生産国はアメリカ。そう。アメリカのスーパーでもいちごは売られている。(当たり前だが)。果物売り場に並べられ、他のどの果物よりも良い香りを放っている。香りは日本のいちごよりも強い。色は日本の物より濃い。日本の物よりワインレッドに近い感じだ。しかも大粒である。香りに誘われていちごを購入。
 さて。洗いまして、パクリ。
 「う!」
 ショックだった。中が空洞なのだ。大きいと思いきや、中が空洞・・・。しかも大きいので種も大きい。ゴマのようにプチプチと噛む。舌ざわりがよくない・・・。日本のいちごとは全く違う。これを同じ種類の果物と呼んでもいいのだろうか、と思うほど。改めて日本の品種改良のすごさに感動した。色も大きさも味も、日本のいちごは上品だ。

・使用用途
 あのいちごを「イチゴ」と思って食べている彼らはなんてかわいそうなんだ。と思っていたが、どうも日本人と使用用途が違うらしい。日本人は、当然だが生でそのまま食べる。しかし、欧米ではジャムにすることが多いため、大粒でも、中身が空洞でもかまわないのだ。少し酸っぱいくらいのものに砂糖をたっぷり入れ、おいしいジャムを作る。

・なるほど納得
 昔「♪オレゴン産のイチゴをかける、ヨ〜グルト!」というCMがあった。アメリカオレゴン州に行った時に、そりゃ、あのCMがあったくらいだからおいしいのでしょう。と思い、期待して食べた。その時は「なんで?!おいしくないやん。」と思ったが、「ジャムにしてかけて食べる」という意味だったのだ。 同じものでも使い方により、違う形に変化、進化していくのだ。