2005年2月21日
*世界の食卓から(第38回):りんご

旅のお供に
 私が持って歩いていた食物の一つが「りんご」だ。米やふりかけ、味噌汁のもとなど持ち歩いていたが、それらは少なくとも湯が沸かせなくてはどうしようもなかった。しかし、りんごはかじるだけでいいのだ。しかも、私が今まで行った国ではどこのスーパーでも売っていた。どこででも食べられるし、一食分の満腹感はあった。

・赤いリンゴ
 今日のようなりんごが日本で作られ始めたのは明治時代。アメリカから75品種を輸入し、苗木を全国に配布、試作が行われた。結果、信州や東北地方に適していることがわかったそうだ。ちなみに御存知だとは思うが、青リンゴは赤リンゴの未熟なものではない。

・1日1個のリンゴは医者を遠ざける
 リンゴにはカリウムや食物繊維が多く含まれています。食物繊維を多く摂ることは便通を良くし、大腸がんの発生率を少なくすると言われています。また、カリウムには腎臓でのナトリウム再吸収を抑制する働きがあるので、ナトリウムを尿として体外に排泄する働きがあると言えます。
 リンゴの果肉が歯についた食べかすを落とし、きれいにする作用もあります。

・いろいろりんご
 一番上に書いたように、様々な国でリンゴを食べた。どこの国のリンゴがおいしかったか。もちろん、日本のリンゴだ。王林なんて、どこの国の青りんごより格段においしい!あの、諸外国の酸っぱいだけの青リンゴとは別格だ。
 ヨーロッパやカナダでも売られている「フジ」には驚いた。「こんな所で会えるとは!」という感じだった。他のリンゴより高く売られており、日本で売られているものと、全く同じ味ではないが、蜜も入っていた。日本のリンゴはおいしい。大きくて甘い。ただ、リンゴの皮を剥いて、切って食べる習慣のない彼らには少し大きいのだろう。なにせ、彼らのリンゴの食べ方は「皮ごと一個まるかじり」なのだから。
 イギリス人の友人に「ウサギリンゴ」を作って見せた時の驚きようは、手先の器用さだけでなく、リンゴの食べ方の文化の違いからきていたのかもしれない。