2005年1月21日
*世界の食卓から(第35回):塩

・世界中どこにでもあるはずの調味料
 味付けをする際、最もシンプルで、最も重要な役割を担っている塩。生物の体に必ず必要なミネラルである。私はカナダでホームステイをしている時、ホストが調味に塩を使っているのを見たことがない。私がよく見ていなかっただけかもしれないが、キッチンに塩があったかどうかも記憶にない。彼らの味付けは基本的に「ケチャップ」「バター」「マヨネーズ」「胡椒」だった。ま「ケチャップ」と「マヨネーズ」でほとんどのことは事足りる状態。

・塩の種類
 日本では塩の種類と言えば「精製塩」「天然塩」があり、最近では「深層海塩」や「自然結晶塩」などがある。ちなみに精製塩とはイオン交換膜を通し、ほぼ純粋なNaClを採取したものである。今、様々な種類の塩は精製塩よりミネラルが豊富!」として売られているが、ミネラルを特に塩で摂る必要はない。精製塩と、その他の塩の違いは「味」である。なんとなく甘く感じる塩や、後味がまろやかな塩、などなどである。
 では外国ではどうか。ヨーロッパでも様々な種類の塩が売られているが、日本の者とは少し違う。ヨード入りのものもある。これはヨード不足による甲状腺障害を起こしている人が多い地域に見られる。ちなみに日本人は海草を多く摂取する為、ヨード不足はおきない。したがってヨード入りの塩は売られていない。
そんな、栄養素的なものではなく、にんにく入りやハーブ入りのがあるのだ。

・ハーブ入り塩
 これは私はとても気に入っていた。このハーブ入りの塩、魚にかけてもおいしいし、パンにかけてもおいしい。肉を焼く時にも使えるし、友人はサラダやフライドポテトにかけると言っていた。パスタに和えてもOK。ハーブ入り、と一口に言ってもこれも色々な種類のハーブが入りがあり、売り場にはたくさんのハーブ入り塩が並んでいるのだ。(一つの商品に多種類のハーブが入っているわけではない)

・塩の作り方
ドイツ、オーストリアの塩は基本的に岩塩から作る。岩塩から塩をとる方法は2種類。岩塩をそのまま削って製品にする方法と、岩塩の層に淡水を入れて溶かしてくみ上げ、それを蒸発させ製品にする方法である。日本のように、海水を汲み上げ、濃縮して採取するという方法は世界では珍しい。

・いろいろな使い方
 最もシンプルで、最も味を左右する塩。保存食を作る際にも使われる。殺菌に使われることもある。
 日本では野菜の色を良くする為にも使われる。世界中で、野菜をゆでる時、色を考えて茹でるのは日本人だけではないだろうか。
 アメリカでは道路の雪を溶かす為に、道路に大量の塩が撒かれる。
様々な使い方をされている塩。海から上がってきた地球上の生物には、なくてはならないものなのだ。