2005年1月1日
*世界の食卓から(第33回):新しき年

 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。

新年だし、なにか特別なネタを!と思ったのですが、もともと持ちネタがたいしたものでもないので、いつもどおり書かせていただくことにします。

・カナダでの正月
 欧米での正月は日本のものほど盛大ではない。休みも1月1日くらいで学校は1月3日から行ったような気がする。12月31日の夜から飲み屋や道には人が集まり、1月1日になった瞬間、その辺りにいた人にKISSしまくる、というただそれだけの行事である。年賀状も出さない。1年に一度挨拶をカードでするのはクリスマスである。元旦はただの1年の始まりの日で、「一年の計は元旦にあり」なんて言葉はない。と、当然だが「1年を振り返って」とか「来年はこんな年にしよう」とか考えることもないのだ。
 1年に一度クリスマスの日にイエスキリストに感謝する文化と、1年に一度自分自身のことを振り返り、新年に目標を定める文化。そして八百万の神に自分の都合のいいことだけを神頼み。
 クリスマスと正月を海外で体験するだけで、その国の人の考え方、文化、宗教、風習がよく見えるのだ。高いお金を払って年末年始を海外で過ごすのにはそんな価値があるのかもしれない。

・太陰太陽暦(旧暦)
 月が地球を一周する時間と地球が太陽を一周する時間をあわせて作った中国の暦だ。日本では1873年に現在のような太陽暦に切り替えてたが、中国、韓国、台湾では旧暦で旧正月を祝う。
 これは太陽暦とは違い、毎年太陽暦での日にちが変わる。(太陰暦を基本にみれば太陽暦の日にちが変わっていることになるのだが)例えば去年2004年の元日は1月22日。今年2005年の元日は2月9日。となるのだ。
 その日は世界中の中華街で旧正月のパレードが行われる。バンクーバーの中華街でも行われていた。

・誕生日
 カナダにいた時、韓国人の友達がいつも答えていたことで不思議なことがあった。「誕生日はいつ?」の質問に全員が「その年にならないとわからないの」と答えていたことだ。彼らは旧暦を使っていて、太陽暦で何日になるのか、カレンダーを見ないとわからないのだ。ややこしい・・・。しかも彼らは数え年で年齢を数えており、普通に数えると何歳なのかすぐにわからない。たまに数えの年のまま年齢を言って、一つ上の年にサバを読んでることがある。世界中のほとんどの国で太陽暦を使っているのに、なぜ数え年で年齢を数え、旧暦の誕生日を使っているのか・・・。

・今回は
 食べ物のネタじゃなくなってしまいました。ので最後に一言。(なんかとって付けたようですが・・・)
 おせち料理は日本の文化です。保存のきく料理の数々を、彩り鮮やかに箱に詰める。質素とも言える食材を、飾り切りで美しく見せる心配り。工夫。新しい年がいい年であるように願い、使われる食材に様々な意味がある。正月には洗い物もしないよう、食べ終わったら重ねてしまうだけ。代々受け次いでいきたいものですね。

これを読んでくださっている方にとって2005年が素敵な年になりますように。