2004年10月1日
*世界の食卓から(第25回):一番遠い国

 
今回から、数回は今ブームの、一番近くて一番遠い国「韓国」をお届けしよう。

とは言っても、私が訪れたのはソウルだけ。なので、今からここに書くことはあくまで「ソウル」での話しだと御理解いただきたい。
 
・毎日が訓練?
ここは地下鉄の駅ではないが、韓国最北の駅。
線路は北朝鮮に続いている。 ソウルでは地下鉄がかなり発達している。しかし、地下鉄の券売機は小銭しか使えないので、ほとんど誰も使えない。おじさんのいる窓口で買う。何のために券売機があるのか・・・。
 地下鉄に乗るのは良いのだが、降りるのが難しい。何が難しいか。ドアが開くと同時に人が乗って来るのだ。気合入れて、乗って来る人を押しのけて降りないと降りられない。
 地上では、大通りはほとんど渡れない。横断歩道がないのだ。地下に下りてから向こう側に上がらなくてはならない。この階段が、まさに訓練で、一段一段、高さが違うことがある。特に、最後の一段は高さが低いことが多く、気を許すとこける。
 また、様々な所にあるエスカレーターの速度が違うので、乗る時にどうも調子が狂う。どこかの駅ではムービングウォークが突然止まった。お年寄りなら確実にこけていたであろう。ちなみにエスカレーターでは、大阪式に止まる人は右側に立っていた。

・道路では
ソウルの街並み ここで運転することはかなり根性がいる。まず、割り込みなんてさせてもらえない。車線変更する場合も入れてくれず、入れるのが嫌な後方車は、自分も車線変更するというわけのわからないことが起こる。バスなんて、なかなか発進できない。というわけで、譲り合わないので、信号があるにもかかわらず、警察が交差点に立ち、交通整理をしている。やたらクラクションを鳴らしまくる。

・歩道では
 女の子同士はほとんどが腕を組んで歩く。親子でも手をつなぐか、腕を組んで歩くので、狭い道では追い越し不可。
 朝は飲食店から出たゴミが出されている。大きな袋が破け、キムチが流れ出ている。これが日本に送られていたのか、としみじみ眺めてしまった。

・市場では
おばさんが豚にたれを塗りながら、売っている。 かなり強引な客引き。腕を掴んで連れて行かれそうになる。「見るだけで良いから」と言うが、そんな商売があるわけがない。見るだけのために、腕を掴んで連行されるのに、連れて行かれたら、どうなるかわからない。初めは「他の店も見てから」とか、日本式に断っていたが、そんなことでは振り切れないとわかり、「メガネいらない?安いよ。」「目は良いから必要ない!」「ニセモノ安いよ。」「ニセモノ売るな!」と、歯切れよく(?)断れるようになった。「ニセモノ」として売らなければ、結構いいものもあるのに、ブランド名を入れてしまうおかげで「ニセモノ」になってしまうのがもったいない。

・これも訓練?
 韓国では、鉄(アルミ?)のお箸を使う。これが、結構重い。しかも、滑りやすいので、うどんを食べるのなんて一苦労。

 日本と似ているようで似ていない、似ていないようで似ている、これがなんともおもしろい。次回は食卓からお届けしよう。