2004年9月21日
*世界の食卓から(第24回):パン

・おいしい日本のパン
 パンはどの国でも手に入る。しかし、日本のパンは世界に誇れるほどおいしいと思う。フィンランドのサンタ村のトナカイシチューについていたパンはおいしかったが、それ以外の場所で食べたパンはどれもそんなにおいしい物ではなかった。もちろん、私がたまたまおいしい物に当たっていないだけなのかもしれない。

・フランスのフランスパン
 フランスのフランスパンはおいしかったが、外側が硬い。(フランスパンなんだから当たり前だけど)。あれでは、お年寄りはミルクに浸さなくては食べられないだろう。それでなくても硬いフランスパン。日にちが経てば、より、硬くなる。だから「フレンチトースト」があるのだと、妙に納得してしまった。

・カナダのスーパーに売っているパン
 食パンの切り方が薄い。日本でいう10枚切りくらいだろうか。いや、それよりは少し分厚いので9枚切りくらいか。カリカリしておいしい、という人もいるかもしれないが、私はどうも苦手だった。ある日、珍しくスーパーで切っていない食パンを1斤売っていた。これで分厚いトーストが食べられる!と、喜んで購入し、家の切れない包丁でなんとかギコギコとノコリギのように切り、さあ。焼こう!と思ったら、トースターに入らなかった…。あの時ほどポップアップ式トースターを恨んだことはない。(カナダでは普通のトースターは、ポップアップ式のものに比べ、値段が2倍くらいする)。ヤマザキのダブルソフトは絶対に入らない。

・ハイジの白いパンドイツでよく見かける移動パン屋さん。ウィンドウに綺麗に並べられています。
欧米では、よく茶色いパンを見かける。おいしそうだと思って手を出すと、痛い目に合うことがある。なぜだか、少し酸っぱいのだ。アルプスの少女ハイジが白いパンを食べたがった気持ちが分かるのだった…。

・パンとは
 ポルトガル語の「pao」、スペイン語の「pan」から由来し、ラテン語から来たものです。英語では「bread」ですのでお間違えのないように。(日本にはパンは初め、ポルトガルから伝わった様で、その時に「カステラ」も入ってきた。カステラはスペインのお菓子で、昔、ポルトガル人がスペインのことを「カスティラ」と呼んでいたことに由来する。)

・デニッシュパン
 「Danish」という英語と「pan」というスペイン語が合体している時点で、完全に日本人が作ったと言える言葉だ。「Danish」とは「デンマークの、デンマーク人の」という意味で、その名の通り、もともとはデンマークで作られていた。9月の収穫祭に主婦たちが腕を振るい、楽しみながら収穫際を過ごすと言われている。