2004年9月11日
*世界の食卓から(第23回):ありそうでないもの

 カナダに住んでいた時に「これは、あるだろう。」と思って探した物が意外にないことがあった。その商品たちを今回は紹介する。

・パフェ
ああ。おいしそうなプリンパフェ!  カナダのケーキはあまりおいしくない。全店のものを食べたわけではないから、言い切ることはできないが、ほとんどがおいしくない。生クリームもあまりおいしくないし、デコレーションも綺麗ではない。黄色や、水色の生クリームは食欲をそそらない。高いものを買わなかったからかもしれないが、同じ金額、日本で出せば、まあまあのケーキが食べられると思う。日本のケーキは大きさも、味も、デコレーションもお上品で素晴らしい。ということで、ケーキがおいしくないならパフェを食べよう!アイスクリームはおいしいから、これはいいかも。と思い、探してみた。が、見つけられなかった。そんなに特にパフェが好きなわけでもないのだが、ない、となると、ムキになる。アイスクリーム屋さんのダブルやトリプルではなく、パフェが食べたかったのだが、ついに、カナダで食べることはできなかった。

・玉子焼き用フライパン
 前にも書いたが、欧米の卵はおいしくない。そこで、だし巻きや、チーズ巻きにすれば、ましになるであろうと思い、玉子焼き用フライパンを探した。ない。店で聞いても「四角いフライパン?見たことないよ。」と言われ、ついに見つけることはできなかった。そもそも、卵をいちいち巻いて焼く、という感覚がないのだろう。目玉焼きか、スクランブルエッグ、手を加えた所でオムレツである。一枚ずつ焼いて、巻く、なんて発想はない。

・揚げ物用フライパン
 英語で玉子焼きは「fried egg」、チャーハンは「fried rice」。そう。私達が「炒める」と思っている物は彼らには「fry」と名づけられている。では、私達が「揚げる」と言っているものは何と言うのか、というと「deep fry」である。 このズレは多分、彼らは「炒める」という事をしないことからきているのではないだろうか。正確には彼らは炒めているつもりだが、日本人から見ると、揚げているくらい油が使われているのである。油に浮かぶ目玉焼き、そう「fried egg」なのだ。だから彼らに上げ物用の深いフライパンなんていらない。ちなみに日本人が「フライドポテト」と言っているものは英語では「French fry」である。

・コーヒーゼリー
 これが日本産なんて、思ってもみなかった。真っ赤なゼリーや緑のゼリーは売っているのに、コーヒーゼリーはなかった・・・。おいしいのに・・・。

逆に「それは必要ないのでは?」と思ったもの
 缶を開けるだけなのに、こんなに大きな自動缶切り・・・それは缶切り。
 いや、缶切りは必要なのだけれど、私達が日頃使って入るようなシンプルな缶切りはあまり見かけない。クルクルとハンドルを回して明けられるタイプや、自動缶切り器なんてものもあった。缶切りは、そんなに大変な作業であろうか?普通の私達が使っている缶切りが、軽くて使いやすいと思う。缶フードに頼った食生活を送っているという背景が見えた。