2004年8月1日
*世界の食卓から(第19回):「からい」と「つらい」は同じ漢字!!

・ホームステイを出る決意をし、韓国人の友人と住むことに。

 野菜のない生活に耐えかねた私は韓国人の友人とアパートに住むことにした(第1回;canadian foodlifeを参照)。日本より家賃は安いものの、極力出費を抑えたかったため、バチェラーといわれる日本で言う「1K」に住むことになった。日本人同士でもなかなか他人が一緒に住むことは難しいのに、異文化の人と一緒に生活する。お互いの文化を認め合うことが必要だ。

・野菜は最高!便秘も解消!!
 辛い料理が嫌いな私は彼女の作る料理を食べられるはずがないので、食事は別々に作っていた。私は野菜を食べられることが嬉しく、毎日せっせと料理していた。野菜を食べられるなんて、なんと幸せなことなのだろうと、日本にいた頃は当たり前だった幸せを噛み占めていた。しかし、しばらくすると彼女は別々に食事を作るのは面倒だと思ったらしく、私達は一週間交代で料理することになった。

・日本人の「辛い」と韓国人の「辛い」
 「辛くない料理を作るから。」と、言う、彼女の言葉を信じたのがいけなかったらしい。というか、正確には「辛い」の次元が違ったらしい。彼女の料理の味付けはほとんどがコチジャン。あまりは醤油を使わない。他の韓国人の友達もそうだった。もっとも、カナダに来ている韓国人留学生は比較的裕福な家庭の子が多く、カナダに来るまで自分で料理なんてやったことない子が多かったからあまり「料理」自体、やったことがなかったのかもしれない。

・最近は日本でも売っている「辛ラーメン」
これです、これです。辛ラーメン! 韓国人の学生のほとんどの得意料理は「辛ラーメン」・・・。そして、それを食べながら、ほとんどの韓国人は言う。「インスタントラーメンは韓国人が考えた。」と・・・。そんなことで喧嘩をしても仕方がないので何も言わなかったが、私が日清食品の社員なら確実に口論になっていただろう・・・。

・話を戻そう
 彼女は私のために辛くない料理を工夫して作ってくれた。キムチにシーチキンを入れて炒めてくれたり、トッポギ(筒状の餅のような物)をケチャップ味にしてくれたり。しかし、どれも私には辛かった。「辛い」次元が違う・・・。それでも彼女が工夫してくれるのが有難くて、食べているうちに、少しずつ辛いものも食べられるようになってきた。(少しだけ・・・)
 彼女は私が洋食を作るといたく喜んでくれた。(金平やお浸しはあんまり反応が良くなかったが。)ハンバーグやグラタン、ロールキャベツなど、普通のものであるが、「なんでこんなのの作り方知ってるの??」といつも聞いてきた。日本人なら多分、ほとんどの人が本を見なくても作れるだろう。彼女が言うには韓国では家庭の食卓に、こんな洋食が並ぶことはあまりないそうで、いわゆる韓国の伝統的な食べ物が並ぶそうだ。

・悲しいできごと
 キムチのにおいも辛いものも、日々(本当に少しずつ)慣れ、金銭的なトラブルもなく、彼女との共同生活は過ぎ去った。朝は同じ時間に起き、夜は勉強し、同じ時間に寝た。あの野菜を食べられないホームステイの生活に比べ、有意義な食生活の日々を送ることができた。ただ、一つだけ忘れられない、悲しかった出来事をここに書いておこう。
 3個で2ドルの私の好物のプチシュークリームをその日も買ってきた。いつもなら一度に3個食べるのだが、1個だけ食べてあとの2個は冷蔵庫に入れておいた。翌日、紙袋からプチシューを出して、いただきます!一口食べて、愕然・・・。シュークリームがキムチ味(正確にはキムチ臭)に変化していたのだ。それからは1度に3個食べてしまうようにしたことは言うまでもない。それが彼女との生活で最も辛かったできごとだった。

・韓国に行くぞ!!
 たくさんの韓国人に囲まれ、韓国人の友人と暮らしたことはあるが、韓国には行った事がない。
 9月に韓国に行く予定だ。韓国に住む韓国人に会うのを楽しみにしている。