2004年4月21日
* 世界の食卓から(第9回):卵

・お母さんのインフルエンザのおかげで、忘れ去られそうになっている 卵事件
 少し前に鶏卵業者が半年も冷蔵庫に入れたままの鶏卵を出荷していた、という奇妙な騒ぎがあった。そんなものを出荷するなんて言語道断。でも、食品衛生法にひっかからないなんて?!と思ったと同時に、驚いたのがそれを食べた人がいた、ということだった。見た目におかしくなかったのだろうか?
 私も実は、友人の家の冷蔵庫からいつの物かわからない卵を発見したことがある。推定年齢、半年から1歳(冷蔵庫の中で)。もちろん、殻の色は普通だ。でも、持った瞬間、びっくりした。プルプルと黄身が揺れている感触がある。普通、新しい卵の場合、黄身は白身に支えられ、揺れない。もしかして、割るととてつもなく恐ろしい匂いが部屋中に立ち込めるのか? そのまま、捨てようとしたが、中が見てみたくなった。ものすごい色になっているのかもしれない。抵抗する友人を押さえ、割ってみた。驚いたことに匂いはほとんどしなかった。もちろん、見た目は黄身が白身の方に流れ込んで、食べられるもの、とは思えなかったが。

・パックは開けてみて買いましょう
これは窓が付いているタイプ。
窓が付いておらず、中身が全く見えないタイプがカナダでは主流でした。 初めて海外で卵売り場を見てビックリしたのがパッケージである。ボール紙の分厚い版のような感じで、手触りは牛乳パックを再生して葉書を作ったものを、分厚く堅くしたものを想像していただけると近いかもしれない。最近は日本でも同じようなパッケージを見かけることがある。色はグレー。だから手に取ってそのまま購入したりすると卵が割れていたりするので、必ず開けて見てから購入しなくてはならない。(開けてもいいと知らず、数ヶ月は開けないで購入していた)。日本のパックよりは明らかに頑丈で、持ち帰る時、ありがたかった。

・黄色い黄身
 さて。初めて卵を買って帰って、パックを開けてビックリした。小さい・・・。日本の物とサイズの規格が違うらしい。Mサイズは日本でいうSサイズくらい。ま、それは次からLサイズを購入することにして、さて、使ってみよう。割ってみて、またまたビックリした。黄身が黄色い。いや、この文章だけ見ると、「当たり前でしょう」と思われるかもしれないが、黄色いのだ。レモン色なのだ。日本の鶏卵はどちらかというとオレンジがかった山吹色に近い。しかも、日本のもののように黄身が盛り上がったりはしていない。鮮度も違うらしい。

・使ってみよう
 レモン色の卵を使ってみることにした。玉子焼きを作りたかったが、海外にはあの四角のフライパンはないので、(あれは日本にしかないのです)仕方なくスクランブルエッグにし、食べてみた。見た目と同じく、味も薄かった。おいしくない…。そりゃあ、ケチャップがたっぷり必要なわけだ。カナダ・アメリカ以外の国で卵を購入したことがないので、ヨーロッパ諸国の卵はどうなのかは定かではないが、卵料理を食べた限りでは同じようなものだと思う。どうも鶏さんの餌が違うらしい。

 言うまでもないが、卵がおいしくないので、マヨネーズもおいしくない。日本のキューピットちゃん印のマヨネーズが、とてつもなく素晴らしいものに思えた。