2004年2月20日
* 世界の食卓から(第3回):やさしいお菓子売り場 

・超・スーパー・スペシャルな市場
 スーパーマーケットの「スーパー」とは「スペシャル」の意味である。昔は、野菜は八百屋さん、魚は魚屋さん、肉は肉屋さん、と言うように、晩御飯のおかずを買いに行くのにいろんなところへ行かなくてはならなかった。それが、ひとっところに集まって、便利、すごい!スーパーなマーケット、で「スーパーマーケット」という言葉が英語で作られたようだ。

・青や緑や茶色の目を白黒させる場所冷凍、真空パックの鯵の開き。
これも、外国人には驚きらしい。
 さて、当然「スーパーなマーケット」には様々なものが売っている。私は海外に行くと、どこの国でも必ずスーパーに行く。その国ならではの物が売っていて、「なんだこりゃ?」と蛸の冷凍真空パック。
こんなのを見た日には、食べ物とは認識されず、
「何に使うの?」と聞かれるのである。言うものがどこの国でも必ず見つかる。外国人が日本のスーパーでびっくりするものは「せんまい」などのホルモンや、魚の「あら」などが代表的で、魚が頭付きで売っているのも、オドロキの一つなようだ。


・中華スーパーマーケット
 カナダと直接関係ないかもしれないが、バンクーバーの中華街近くの中華スーパーには「蛙」が水槽の中におり、量り売りされていた。当然買ってはいないが、蛙が水槽の中で重なっている様子はなんともナマナマしく、忘れられない。中華スーパーは面白く、コアラのマーチの中国版や出前一丁の中国版、などなど日本でもおなじみのお菓子や食材があった。カナダで金平レンコンにありつけたのも中華スーパーのおかげサマ様である。

・大阪人も真っ青の感覚
 中華スーパーのことはさておき、普通のスーパーの話に戻ろう。カナダにも「なんだこりゃ?」は多々あった。そのうちの一つがお菓子。赤・黄・緑の三色のミミズやとかげの形をしたグミキャンディ。(一個一個が赤・黄・緑じゃなく、一個に三色使われているんですよ・・・。)そのミミズをべろーんと伸ばして噛みちぎる子ども・・・。黄色や、水色の生クリームを見て、「ママー。あのケーキおいしそうだから買ってー!」と駄々をこねる子ども・・・。とにかく、お菓子の色はえげつない。(えげつないという大阪弁がぴったり!)クッキー以外のどんなお菓子を食べても舌の色は変化した。スナック菓子でも変化するものもあった。目の色が違うので色の見え方が違う、ということを考慮したとしても、えげつなすぎる。大阪人も真っ青だ。
             
**これは直径20cmくらいのゼリー。
左側はミルクゼリーに三色(オレンジ・赤・緑)ゼリーをつぶして混ぜた物。
右側は三色ゼリー。この色彩がミミズグミにも使われている。みみずグミはオレンジの部分がもっとレモン色だった。カナダではポピュラーな色使いだ。ちなみに値段は約250円だった。
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「おいしそう」と「おいしい」の出会い
 「おいしそう」という感覚もその国々で違うもので、小さい頃から「おいしい」と思ってきたものを見たり、匂ったりした時「おいしそう」と思うのである。「おいしい」と「おいしそう」が出会うのだ。「おいしい」がその国の文化であると同時に、「おいしそう」もその国の文化を反映するものである。
 私たちが三色みみずグミを見て「おいしそう」と思わないのと同じように(?)外国人はたこを見て「おいしそう」とは思わないのだ。ちなみに私はいろんな国の人に、いろんな国で味噌汁を作ったが、あの香りを「いい香り」と言った外国人はいなかった。

・やさしいお菓子売り場
 日本のお菓子売り場は「やさしい」。お菓子の一袋の量が少なくて、かわいらしい。パッケージにしても、派手で目立つものではなく、密かに工夫が凝らされている。持ちやすかったり、開けやすかったり、開発者の心が伺える。お菓子自体の色彩もやさしい。

 カナダにいた時、友達が送ってくれた「いちごみるくあめ」に日本の優しさを感じた。