2004年2月10日
* 世界の食卓から(第2回):バレンタインデー

 バレンタインデーにチョコレートを贈る習慣があるのは日本だけである。戦後、チョコレート会社が「女性から男性にチョコレートを贈りましょう!」というキャンペーンを東京・新宿の伊勢丹デパートで行ったのが起源である。「女性から」としたのはデパートで買いものをするのは圧倒的に女性が多いことからだそうだ。

・カードこそわが心
 欧米では友達、家族、先生や恋人など、異性に限らず、好きな人・お世話になった人にカードや花束、キャンディーなどを贈る。欧米では「カード」を売っている売り場はかなり大きい。カナダではスーパーや薬局でも売っており、種類も豊富。バレンタインデー、クリスマスはもちろん、年齢ごとにバースデーカードがあったりし、お悔やみのカードも売っている。あくまでプレゼントは、カード(気持ち)のおまけ、という考え方のように私には思えた。
 一方、日本ではどこもかしこもチョコレート一色になる。しかし、最近ではいろいろなユニーク商品も見られ、これがチョコ味豆腐。
ぷっちんプリンのようなポッチが付いてました。今年私が見かけたもので、変り種はハート型豚まんや、ハート型厚揚げ、そしてチョコ味豆腐…。(正式名称「もちとうふ」。これを食べてみたが、水羊羹のチョコレート版?というような複雑な味だった。原材料は本葛、豆乳・・・となっていた。)。

・「酸っぱい」と「甘い」のハーモニー?
 日本にはないものでヨーロッパのスーパーに売っているのが「チョコレート味ヨーグルト」!もちろんバレンタインデー用ではない。日常的に売っているのだ。これはありそうだが、日本には売っていない。なぜか?べつにヨーグルトとチョコレートを混ぜる必要はないからだ。あの、ヨーグルトの口当たりが欲しければ、チョコレートムースでかまわないのである。酸っぱいヨーグルトに、わざわざ甘いチョコレートを入れる。もちろん、「甘酸っぱい」のとは全然違うもので、酸っぱくて甘いのだ。「チョコバナナ味」なんてのもあって、驚いてしまう。ちなみに両方食べたが、やはりチョコとヨーグルトは合わない…。

・塩チョコレートの恐怖?・・・カナダから
 カナダのチョコレートは甘い。そして、たまにしょっぱい。多分甘さを引き立たせるため、塩を入れているのか、しょっぱい。チョコレートがしょっぱい。そんなことがあっていいのかしら?そして、そのしょっぱいチョコレートの中にキャラメルが入っていたりする。キャラメルが入っているから外側のチョコレートに塩をきかせているのだろうか?理解に苦しむ。(そういえば日本にも、塩饅頭なんていうものがありますね…)。

・ポワロの国はスウィーツの王国
ベルギーの首都ブルージュのグランパレス。
右端の建物の一階が、チョコレートで有名なあのゴディバの本店。 おいしいチョコレートといえばベルギー。ブリュッセルの中心街には甘い香りが立ち込めている。チョコレートとワッフルの香り。私が訪れた街の中で一番いい香りがしたのがブリュッセルである。
たいていの小便小僧の像はこのように写真に写されている。
これでは実際の大きさの推測は難しい・・・。(その街に小便小僧の像を作ってしまったことは、なんともユーモア溢れる発想?ちなみに、世界3大がっかり像らしいです。大きさはなんとたったの60cm!)。街のあらゆるところにチョコレート屋さんがあり、量り売りをしてくれる。ゴディバの本店もそこにあり、大変親切な店員さんが対応してくれた。(薦めてくれた「バニラフレーバーチョココーヒー」はそんなにおいしいものではなかったけど。)。私のお気に入りだったのは「レオニダス」という店のチョコレート。この値段で、この味!さすが本場だわ!と思っていたが、実は日本に15件も店を構えていることを後で知り、なんとなくがっかりした。もちろん、飛行機に乗って来たチョコレートにはそれなりの値段がついている・・・。店を構えているチョコレート屋さんのチョコレートだけでなく、スーパーで売っているチョコレートもおいしかった。

・カードこそわが心・・・再び
 バレンタインデーにチョコレートを贈る習慣が、競争社会の嫌いな、平等が好きな日本人の習慣として定着していることになんとなく矛盾を感じるのは私だけだろうか。お世話になった人にちょっとしたカードなどをプレゼントする習慣の方が、素敵なものに感じる。チョコレートはその人の気持ちに添えるもので、メインではないことをお忘れなく。

実際の小便小僧の大きさはこれである。
左下の人の頭大きさと比べて頂けばわかると思う。
世界の三大がっかり像に選ばれただけある?!

*それぞれの写真にマウスポイントを乗せると写真の説明が出てきます。