2004年2月1日

*世界の食卓から(第1回):Canadian foodlife

  このページでは私が今まで見てきた様々な食生活について、書きます。第一回の今回はカナダの食卓から。


・初めてのカナダは「小悪魔」の歓迎つき!
 カナダに留学した時、始めの2ヶ月はホームステイをしていた。お父さん、お母さん、3歳の女の子(ロザリー)の3人暮らしの家で、女の子は天使のように可愛い顔した小悪魔。彼女の乱暴ぶりは、日本人の女の子と比較にならないもので、私が折ってあげた鶴なんて、無残にも何度も踏み潰されたのでした。しかし、私が6ヶ月いる予定にしていたこの家を2ヶ月で出ようと決めたのは、彼女のせいではなく、この家の食事に耐えかねたから。

・お袋の味は「錠剤」だった。
 メニューなんてのは私が記憶するところによると、5種類。マカロニチーズ、ピザ、焼肉、チャイニーズレストランの焼きそばもどき、同じくチャイニーズレストランのカレーもどき。平日は前者3種類のサイクル。土日は後者2種類のサイクル。焼肉なんて言っても、ただ、肉を焼いただけ。もちろん、焼肉のたれもなければ、醤油もない。どうやってつけたかよくわからない味が付いていた。すべて単品で、カレーには(多分)中国産の米がのっていた。小悪魔はピザの耳をいつも残し、それを私の皿にのせた。ま、それは彼女が一番おいしいところを私にくれていたと考えたとしても、野菜がないことは私には耐えられなかった。1週間で耐えられなくなった。日本人なら誰でも「そんな食生活だめ。」と気付くのだが、彼らは足りない栄養素を当たり前のように「サプリメント」で補っていた。食事の後には必ず、家族でサプリメンとで栄養補充・・・。「ロザリー。ちゃんと栄養とらないとだめよ。」と娘にサプリメントを飲ませるお母さんの言葉にカルチャーショックを受けた。

・サプリメントは万能??
 町にはサプリメント専門のショップがあちこちにあり、日常生活になくてはならないものになっている。上記のような食生活をしていれば、当然、頼らざるを得ない。猫も杓子もサプリメントである。妊婦さんで飲んでいる人がいたので、「それを飲み続けると、体が食べ物から栄養素を吸収しにくくなる。赤ちゃんがいるんだから、そんなのに頼らず、食べ物から栄養をとった方がいいよ。」と言うと、「副作用がないんだから、いいのよ。」と平然と言われ、愕然とした。
 スーパーで野菜・果物は安い値段で売っている。日本のように綺麗な物ではないが、日本よりも安い。オレンジなんて、1個15円くらいで売っていたし、人参は1本10円しなかったと思う。なのに、なぜ彼らは野菜をとらないのか?答えはすぐにわかった。彼らは調理法を知らないのだ。もし日本に、だしと醤油がなかったとしよう。果たしてどれだけ野菜を調理できるだろうか?醤油のない国で野菜を調理する時、非常に限られた調理しかできないのだ。味付け方法としてはケチャップかコンソメ、ドレッシング、マヨネーズ。これではおいしく野菜をとることは難しい。サラダかコンソメスープくらいのものか。そこで頼るべき物は「サプリメント」というわけだ。

 このような食生活をしている人々と私たちが、同じサプリメントを同じ効き目をがあると考えていいのだろうか?最近では「サプリメント先進国のアメリカで人気の〜〜」とか、アメリカでの効き目を謳っているものもあるが、日本人とアメリカ人は同じなのだろうか?同じ人間。だが、全く違う食文化、食生活。(注:アメリカ人とカナダ人は違いますが、食生活、食文化はほぼ同じだと考えます)

 別の国で、別の家に飼われている、ダックスフンドとハスキー犬。同じ物を、同量摂取してよいのだろうか?効用は同じだろうか?別の家で飼っているのに、同じ物が必要だろうか?

 
***念のために***

 このコラムは私の感じたことを独断で書いています。もちろんすべてのカナダ人が上記のような食生活ではありませんので、ご了承ください。