2004年11月11日
*世界の食卓から(第28回):一番遠い国4

・食器で見る食文化
 韓国では陶器の食器はあまり日常では使わない。日常で使うのはステンレスや真鋳(しんちゅう:銅と亜鉛の合金)である。お分かりだと思うが、金属でできているので、器が熱くなる。日本人がお味噌汁を入れたりなんてすると大変。持てないのだ。韓国人は食器を持って食べない。食器を持って食べるのは行儀が悪く、お汁はスプーンで飲む。彼らいわく「西洋式」なのだそうだ。
 テーブルの前にイスで座ってこその「西洋式」なのだと思うのだが、そんなことはお構いなし。チョゴリを着て、立てひざを付き(チョゴリを着た場合、片足は立てて、片足はあぐらを掻くように寝かせるのが正しい座り方)、そして食器を持たずに食べる。お汁をスプーンにのせて食べるのは難しいので、顔を近づけて飲む。
 食器を持たずに食べるのは、日本人にはとても難しい。スプーンとフォークを渡されれば、それもできるが、お箸を渡されて、食器を持たずに食べる。ちゃぶ台の前で、ご飯をお茶碗を持たずに食べる。難しい。(ちなみに、先ほど書いたように、ステンレスの食器が多いので、熱くて持てないが。)

・文化に沿った食器

 テーブルに置いたままで食べるので、韓国の食器の下は平らだ。日本の食器は持つために、熱くないように「台」が付いている。また、韓国の食器は置いて食べるので、重くても、安定性重視。日本の食器は持ちやすく、軽いもの。
 また、箸・スプーンは食べない時はテーブルに置く。スプーンは丸い方を上に置いてはいけない。(お葬式の時にやるやり方らしい)。日本人は箸をテーブルの上に直接置くのは抵抗がある。口に付けるものを直置きするなんて、という考えから「箸置き」ができたようだ。「箸置き」というものを使っているというだけで、日本人であることを誇りに思えてしまう。

・料理の前に切る?食べる前に切る?
 韓国の食文化で、いまいち馴染めないのが「鋏」。麺や、肉を調理し終わってから、食べる前に目の前でチョキチョキ切る。どうして調理する前に切らないのか?わざわざ目の前で切る目的は?せっかく盛りつけても、これではぐちゃぐちゃである。まあ、ステーキもまるまま焼いて、目の前で食べる前にナイフで、自分の分を自分で切らなくてはならないのだから、同じようなものと言えば、同じようなものなのか・・・。でも、なんとなく違うような気がするのは気のせい?

・韓国ブーム
 「冬のソナタ」で韓国ブームが起こっている。このドラマをまだ見たことがないが、食事のシーンだけを気にして、このドラマをみてもおもしろいかもしれない。少しブームが去ってから、このドラマを見てみたいと思う。

ここが韓国の最も北寄りの地点。この線より前で写真を撮ってはいけない。左の線の内側から撮った、韓国から見る北朝鮮。
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