*摂食障害について

 間違ったダイエットをすることにより、中枢性摂食異常症(摂食障害)に陥る可能性があります。この病気には2タイプあり、神経性食欲不振症(拒食症)と神経性大食症(過食症)があります。原因はダイエット以外にも環境やストレス等様々ですが、自分の判断で始めたダイエットにより「普通の食事量」がわからなくなり、いつの間にか拒食症に陥っていることがあります。拒食と過食は交互に発症することが多いです。

 ダイエット

拒食症

食べなくてはいけない

ストレス

過食症

食べ過ぎてしまった後悔

嘔吐や下剤

後悔から拒食

ストレスにより過食

 これを繰り返すうち、食べ物が胃に入ること自体に嫌悪を感じるようになります。嘔吐が癖になり、自分ではやめることができなくなります。また、食べ物を飲み込まず噛んで吐き出す(チューイング)をする人もいます。女性は月経が止まり、生命を危険にさらすことになります。


*私は過食症?

 「私はとてもたくさん食べます。しかも、食べだすと止まりません。過食症でしょうか?」と聞かれることがあります。「とてもたくさん」というのは曖昧なもので、どれくらいが「たくさん食べる」でどれくらいが「そんなに食べていない」なのか、個人によって認識が違います。

 これはある過食症の方が、一回に食べた量です。

コンビニ弁当 2つ
6個入りあんぱん 1袋
レーズンパン7個入り 1袋
食パン
マーガリン
ジャム
ピーナッツバター
1斤
コーヒー 1杯
牛乳 2杯
その他 **
合計 約4200kcal
約1500円

 ピザMサイズ2枚・コンビニ弁当1個・菓子パン8個・食パン1斤・牛乳という方もいらっしゃいました。

 上記くらい食べる方は過食症ですが、普通の量より少し多いくらいなら過食症とは言いません。過食症の方は、この量を食事とは違う時間に食べます。これを食べている間は、自分では止めることができないのです。あとで嘔吐すると自分でわかっているので、戻す時に喉に引っかかりにくいパンやクッキーを食べる方が多く、さらに嘔吐しやすいように、牛乳など水分も取ります。

 ここに神経性食欲不振症(拒食症)と神経性大食症(過食症)の診断基準を示します。(アメリカの精神医学会のもの)

 神経性食欲不振症の診断基準

A: 年齢と身長に対する正常体重の最低限、またはそれ以上を維持することの拒否。
B: 体重が不足している場合でも、体重が増えること、または肥満することに対する強い恐怖。
C: 自分の身体の重さまたは体型を感じる感じ方の障害。自己評価に対する体重や体型の過剰な影響、または現在の低体重の重大さの否認。
D: 初潮後の女性の場合は、無月経、つまり月経周期が連続して少なくとも3回欠如する。(エストロゲンなどのホルモン投与後にのみ月経が起きている場合、その女性は無月経とみなされる)。

 神経性大食症の診断基準

A: むちゃ食いの繰り返し。むちゃ食いは以下の2つによって特徴づけられる。
(1) 他とはっきり区別される時間の間に、たいていの人が同じような時間に、同じような環境で食べる量よりも明らかに多い食物を食べること。
(2) むちゃ食いの間は、食べることを制御できない。(例えば、食べるのを止められない、何をどれほど多く食べているか制御できない)
B: 体重の増加を防ぐために不適切な代償行動を繰り返す。(例えば、自己誘発性嘔吐、下剤、利尿剤、浣腸、またはその他の誤った使用、絶食、過剰な運動)
C: むちゃ食いおよび、不適切な代償行動はともに平均して、少なくとも3ヶ月にわたって、週2回起こっている。
D: 自己評価は、体型および体重の影響を過剰に受けている。
E: 障害は神経性食欲不振症の期間中にのみ起こるものではない。