NSAIDsの役割とは?


非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)はがんの疼痛治療の第一段階において使用していく薬です。弱い痛みを対象にしており長期間にわたって安全に投与できる薬を選択していくことが望ましいようです。また、NSAIDs単独での鎮痛が難しい中等度以上の痛みの場合には麻薬系鎮痛剤(オピオイド)を併用して良質の鎮痛効果を得ることが可能です。


代表的なNSAIDsの種類について


商品名 一般名 説明
ハイペン エトドラク エドトラクは消炎・鎮痛・解熱作用のバランスが良いNSAIDsであり、長期間安全に投与可能なグループに属するNSAIDsです。
日本での常用量は海外での半分程度に設定されています。
エドトラクは一日2回の投与で鎮痛を維持することが可能です。
モービック メロキシカム メロキシカムは消炎・鎮痛・解熱作用が強力なNSAIDsで海外との用量設定にも差はなく十分な効果が期待できます。
一日一回の投与で鎮痛を維持することが可能ですが、高齢者や肝障害のある患者においては注意が必要とされます。
ロキソニン ロキソプロフェンナトリウム ロキソプロフェンは最も汎用されてきたロングセラーのNSAIDsです。ロキソプロフェンは一日3回8時間ごとに投与することで
鎮痛の維持をすることが可能です。ロキソプロフェンは主に肝で代謝されるため重度の肝障害では効果が弱まります。
極めて稀ですが副作用として劇症肝炎を含む急性肝炎の発症が見られることがあります。
ボルタレン ジクロフェナクナトリウム ジクロフェナクの坐剤は他のNSAIDsと比べられないほどの強力な消炎・鎮痛・解熱作用を持っています。一日3回の投与で
この効果は維持することができます。消化器への負担が大きいため長期にわたる使用は勧められません。
ナイキサン ナプロキセン ナプロキセンは消炎・鎮痛・解熱作用が平均的でNSAIDsの中では副作用が比較的少ないグループに属するのでがん疼痛
治療では第一選択薬とされやすい。一日2回の投与で鎮痛を維持することが可能です。日本でのナプロキセンの認可量は海
外の半分以下である。
レリフェン ナブメトン ナブメトンは消炎・鎮痛作用は強力なのだが解熱作用が弱いという特徴を持っています。一日一回の投与で鎮痛を維持する
ことができます。がん疼痛治療において長期にわたる継続投与が可能な安全な部類に属します。
クリノリル スリンダク スリンダクは消炎・鎮痛・解熱作用のどれもが強力で、一日2回の投与で効果を維持することができます。頻度は低いが、特
異的な副作用として髄膜刺激作用があります。
ポンタール メフェナム酸 メフェナム酸は消炎・鎮痛が比較的強力ですが解熱作用は若干劣ります。一日4回の投与で降下を維持することが可能です。
メフェナム酸の長期投与では消化器症状が比較的多く見られるため胃粘膜の保護を十分にすることが重要である。
ロピオン フルルビプロフェンアキセチル がん疼痛治療に用いることができるNSAIDsのうち唯一の注射剤です。一日3〜4回程度の投与が必要となります。またこの
薬は筋肉注射はできません。
ニューキノロン系抗菌薬との併用で痙攣を起こすことがあるので確認が必要です。